モデル地区における子宮頚癌集団検診の成績に関する研究

概要

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滋賀県の山東町では,昭和44年から地域住民を対象とした子宮頚癌検診を実施している.本町では,昭和44年度から同47年度迄に対象となる婦人全員が実検に一度は参加し,以後受診率は若干減少の傾向にあるが,昭和54年度もなお30.8%の高受診率を維持している.全住民の実検受診が完了した昭和47年度迄の子宮頚癌発見率は0.25%と比較的高率であったが,それ以後昭和54年度迄の同発見率は0.09%に下り,全県下の同平均発見率0.16%に比べて著しく低い値となった.特に昭和53年度および同54年度の2年間には1例の子宮頚癌も発見されていない.このようなモデル地区でも,3回以上毎年連続受診し4回目ないし5回目に子宮頚癌を発見された症例が3例あった.この3例について前回標本の再検討を行ったところ,2例で前年度標本にパパニコロー分類クラスIII以上とすべき細施が認められた.のこる1例は,標本上の細胞数が少ないため判定を保留すべき症例であった.以上のような成績から,地域住民を対象とする実検は,住民がまず一度は参加することによってその効果が高められると考えられる.また,初回受診の後少なくとも3回は引き続き連続して受診する事が望ましいが,その後の受診間隔については本調査では明らかに出来なかった.また,参釦した受診者の中から見落とし例を出さないために,医師および細胞検査士の細胞診精度管理にも十分な注意が必要であると考えられる.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1983-06-01

モデル地区における子宮頚癌集団検診の成績に関する研究

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