滋賀県における子宮癌集団検診 昭和44年度, 45年度, 46年度の成績を中心に
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概要
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滋賀県は, 昭和44年6月から, 県下全域を対象とする子宮癌集団検診を実施している. 対象者は, 30才〜69才のいわゆる一般健康婦人で, 検診方法は, 細胞診を主とする検診車出張方式である. 滋賀県立成人病センターが中心になって, 企画, 事後管理, 集計を行なった. 今回は, 昭和44年度, 45年度, 46年度の成績を中心に報告する. 1) 受診者総数は, 昭和44年度, 5,556名(受診率2.6%), 45年度, 8,389名(受診率4.0%), 46年度11,475名(受診率5.4%)であった. 2) そのうち, 集団検診, 精密検診を通じて確認できた, 上皮内癌を含む子宮頚癌患者は, 昭和44年度, 6名(頚癌発見率0.11%), 45年度, 19名(頚癌発見率0.23%), 46年度,31名(頚癌発見率0.27%)であった. 3) 県の行政レベルで行なわれた, 滋賀県の子宮癌集団検診は, 保健所, 市町村への連絡, 通達の面で都合よく, 事後管理の点でも好成績を示した. 4) 理想的な成果を挙げつつある滋賀県坂田郡山東町では, 昭和45年度から, 毎年, 対象人口の90%以上が受診し, その結果, 3年目を迎えた昭和47年度には, 毎年, 定期的に継続して受診いる者の中には1名も頚癌が発見されなかった. この山東町の成績は, 毎年, 定期的に検診を受けることの重要さ, および, 同一対象を毎年, 精力的に検診すれば, 3年にして子宮癌を0にすることができることを我々に教えてくれたものとして, その意義は大きい.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1974-01-01
著者
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