子宮癌集団検診における受診間隔の検討
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概要
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われわれは,子宮癌集団検診に際し,対象婦人に,定期的,継続的に検診を受けるよう,呼びかけているが,その受診間隔については,どの実施機関においても,1年に1回としているのが普通である.しかし,この,1年に1回という受診間隔決定の根拠についての検討に接することは少い. そこで,今回,管理された多数の症例が集まり,しかも,かなり精度の高い資料が得られる,滋賀県の子宮癌集団検診を通じて発見された子宮頚癌患者につき,その受診前歴を検討した.この目的は,子宮癌集団検診において,上皮内癌,頚癌Ia期以前の病変を発見できる受診間隔の決定に,きわめて有力な資料を提供してくれると考えたからである. 今回の対象は,昭和46年4月から48年9月に至る期間中,集団検診により発見された,上皮内癌を含む頚癌患者,66名のうち,集団検診受診前歴のある,22名について細胞診成績を中心に検討を行つた. 22名の進行期分類は,上皮内癌:16名,頚癌Ia期:5名,頚癌Ib期:1名であつたが,頚癌発見当時の細胞診成績はすべてclass III以上であり,その前年度の成績は,class III:3名,class II:11名,class I:5名であつた. このうち,継続受診前歴2回以上の症例は5名あつたが,発見当時,全例,上皮内癌であつた.しかし,受診前歴1回では,前年度,細胞診陰性でも,翌年度,頚癌Ib期として発見された症例が1名あり,また,頚癌Ia期として発見された症例も5名あつた.したがつて,上皮内癌以前に発見できる集団検診の受診間隔は,1年以内であることが望ましい.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1975-03-01
著者
-
万井 正章
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
田中 敏
滋賀県立成人病センター
-
吉田 吉信
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
大島 正義
京都大学医学部婦人科学産科学教室
-
田中 敏
滋賀県立成人病センター婦人科
-
大島 正義
滋賀医科大学産科学婦人科学教室
-
吉田 吉信
滋賀医科大学産科婦人科学教室
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