エンドメトリオージスの偽妊娠療法における下垂体-卵巣系機能に関する臨床的研究
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概要
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合成性ステロイド長期役与の内分泌機能におよぼす影響に関して既にわれわれは,周期投与法施行例の下垂体機能について報告したが,今回は連続投与時およびその終了後下垂体-卵巣系に与える影響について検討した. エンドメトリオージスの治療としてnorethindrone 5mgとmestranol 0.05mgの合剤による長期間の偽妊娠療法をおこなつた25症例を対象とし,下垂体機能検査としてはin situおよびLH-RH負荷後の血中FSH, LH測定をおこない一部の例で卵巣機能検査として血中estradiol (E_2), Progesterone (P)を測定した. その結果,偽妊娠療法によりin situおよびLH-RH test後の血中FSH, LHとも抑制がみられた.ことに内服2ヵ月を過ぎた頃からは個人差はあるもののtestに低〜無反応となる傾向がみられ,周期法におけるような抑制の周期的変化はみられなかつた.ただ,一部の症例で破綻出血前に反応が亢進するのがみられた. 血中E_2, Pは偽妊娠期間中は低値で経過した.一方,偽妊娠療法終了後は周期法に比べて下垂体機能の回復は遅延し反応性出現時期は偽妊娠期間が長いほど遅れる傾向がみられた.LH-RH testに対する下垂体の反応性は10〜20日目頃に出現し,ことに20〜30日目頃にはFSHにrebound現象があらわれた.またFSHはLHに比べて先に反応性の回復がみられるなどFSHは妊娠,産褥における変化に類以していた.終了後長期の検討では下垂体の反応性の回復に従い排卵性周期の回復がみられた.なお血中E_2, Pは終了により回復がみられた.以上のように,今回の検討により偽妊娠療法は下垂体卵巣機能を抑制するが一時的なものであり,治療終了後は正常機能を快復することが内分泌学的に確認された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1977-02-01
著者
-
杉本 修
大阪医科大学産科婦人科
-
植木 実
大阪医科大学産婦人科
-
佐野 隆
大阪医科大学産婦人科学教室
-
佐野 隆
大阪医科大学 産婦人科
-
鐘 坤井
大阪医科大学産科婦人科学教室
-
土居 荘之介
大阪医大
-
奥田 喜代司
大阪医科大学産婦人科
-
土居 荘之介
大阪医科大学産科婦人科学教室
-
池田 良
大阪医科大学産科婦人科学教室
-
杉本 修
大阪医科大学
-
奥田 喜代司
大阪医科大学 産婦人科
-
奥田 喜代司
大阪医科大学
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