子宮頚癌の拡がりの診断に対する MRI の有用性 : 撮像方向に関する検討
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概要
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子宮頚癌の拡がりの客観的診断法としての MRI の有用性をその画像と摘出した組織を対比して, その臨床的価値を検討するとともに, 撮像方向別に子宮旁結合織, 体部, 膀胱および直腸への浸潤の有無の4項目について検討した. 使用機器は GE 社製 Signa 1.5T を用い, 教室で摘出手術を施行した頚癌44例を対象とした. 撮像は T_2強調画像を用い, 撮像方向は冠状断, 横断, 矢状断の3方向とした. MRI による画像診断と摘出標本の病理組織学的診断と対比した結果, 冠状断像では子宮旁結合織浸潤で75.0%が正診し, 診断不能例の割合は体部浸潤77.8, 膀胱浸潤92.1および直腸浸潤63.2%であった. 横断像では子宮旁結合織浸潤76.3, 膀胱浸潤92.1および直腸浸潤78.9%が正診し, 体部浸潤では72.2%が診断不能であった. 矢状断像では体部浸潤80.6, 膀胱浸潤97.4, 直腸浸潤89.7%が正診し, 子宮旁結合織浸潤では腫瘍描出39例の全例が診断不能であった. 3方向中1方向以上での腫瘍描出不能例は5例あったが, そのうち3例は他の方向で描出し得た. 以上の結果から, MRI は子宮頚癌の拡がりを客観的に診断する方法として有用であることが判明した. さらに冠状断像ほ子宮旁結合織浸潤診断, 横断像は子宮旁結合織, 膀胱および直腸のそれぞれ浸潤診断, 矢状断像は体部, 膀胱および直腸のそれぞれ浸潤診断に適していると思われた. さらに腫瘍を的確に描出するためには冠状断, 横断, 矢状断の3方向を撮像する必要があると考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1990-12-01
著者
-
杉本 修
大阪医科大学産科婦人科
-
植木 実
大阪医科大学産婦人科
-
岡村 信介
大阪医科大学婦人科
-
後藤 真樹
大阪医科大学婦人科
-
植木 實
大阪医科大学産婦人科学教室
-
後藤 真樹
大阪医大
-
岡村 信介
大阪医大
-
岡村 信介
大阪医科大学
-
後藤 真樹
高松赤十字病院
-
杉本 修
大阪医科大学
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