局地スケールでの気候と二酸化炭素循環の関係に関する数値実験

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局地スケールでの陸面植生と気候との物理的・生物学的関係のメカニズムを明らかにし、さらに、それが局地的な二酸化炭素循環に及ぼす影響を明らかにするために、局地気候モデルを用いた数値実験を行った。実験に用いた局地気候モデルは、気象庁開発の日本域モデル(JSM)に陸面植生モデル(BAIM)を組み込んだモデルである。本局地気候モデルは、陸面植生が介在する大気一陸面間のエネルギー収支・二酸化炭素収支を陽に再現することができる。1986年1月から1991年12月までの6年分の数値実験の結果について解析を行った。その結果、モデルの局地気候の再現精度は良好であることが示された。またモデルは、実験対象期間に観測値に現れている対流圏下層の大気中の二酸化炭素濃度の年々変動の特徴を再現することができた。数値実験の結果から、この特徴的な二酸化炭素濃度の年々変動には、局地的な気候の年々変動に影響された陸面植生活動の変動が関係していることが示された。対流圏下層の二酸化炭素濃度の年々変動には、植生の光合成活動に伴う二酸化炭素吸収量の変動が大きく影響しており、その変動の主な要因は、植生活動に影響を及ぼす地上での下向き短波放射量の年々変動に起因することが示された。
社団法人日本気象学会の論文
2000-02-25

局地スケールでの気候と二酸化炭素循環の関係に関する数値実験

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