AWS(自動気象観測装置)によって観測されたモンゴル北部の急激な季節変化

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モンゴル北部のバルンハラ(48°55'N, 106°4'E)において、自動気象観測装置(AWS)によって、気候の季節変化における陸面過程の役割を明らかにするために、1993年の9月30日より地上気象要素の連続観測を行った。1993年の10月から1994年の9月までのデータを解析したところ、気温または比湿の急激な変化(ジャンプ)により1年間を4つの季節に区分した。各季節の区分理由および特徴を以下に述べる。11月中旬に数日間で気温が約20℃低下したと同時に、アルベードは急激に0.5増加し、0.9になった(秋季→冬季)。冬季には、気温は-15℃以下のコアレス型(鍋底型)で、アルベードは2月中旬までは0.5以上と高く根雪があったと考えられる。3月中旬に気温が数日間で急激に約20℃上昇した(冬季→春季)。春季は、温位/比湿の日変化の特徴を表すダイアグラム((θ,q)プロット)において、午後の比湿の減少が見られたこと、また地表面温度および風速の日較差が年間を通して最大であったこと、によって示唆される乾燥した地表面からの顕熱加熱による日中の混合層の発達により特徴づけられる。6月中旬に比湿が数日間で急激に5 gkg^<-1>増加した(春季→夏季)。夏季には(θ, q)プロットにおいて、他の季節に比べると、温位の上昇に比べて比湿の増加がかなり大きく、地表面温度の日較差は小さかったことから、地表面からの蒸発が盛んであると推察される。9月上旬に比湿が数日間で5 gkg^<-1>減少した(夏季→秋季)。秋季は(θ, q)プロットの傾きは、春季とほぼ同じであったが、午後の比湿の減少が見られかったことから、エントレーメントを引き起こすのに十分な日中の混合層の発達がなかったと推察される。
社団法人日本気象学会の論文
1999-04-25

AWS(自動気象観測装置)によって観測されたモンゴル北部の急激な季節変化

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