塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第4報) : 経口投与によるラット周産期および授乳期投与試験

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塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の100, 300および1000mg(力価)/kg/日を妊娠17日から哺育20日まで雌ラットに反復経口投与し, 母動物および出生児に及ぼす影響を検討した。母動物では, 軟便・赤褐色便, 摂餌量の減少または増加, 体重の増加がS-1090の全投与群でみられたが, 妊娠の維持, 分娩および哺育に対する影響は認められなかった。剖検および器官重量では, 盲腸に拡張と重量増加が, また心臓, 脾臓および顎下腺に軽度の重量減少がS-1090の全投与群でみられ, 1000mg (力価)/kg/日投与群では胸腺に軽度の重量減少もみられた。F1出生児では, 盲腸重量の増加がみられたが, 催奇形性は認められず, 生存性, 成長, 身体的発達, 感覚機能, 反射, 行動, 性成熟および受 (授) 胎能に投与の影響は認められなかった。性成熟後のF1雌の妊娠維持, 分娩および哺育に投与の影響は認められなかった。F2胎児では, 発育や外表, 骨格および内臓の観察で異常は認められなかった。F2出生児では, 外表, 生存性, 成長および身体的発達に異常は認められなかった。以上の成績から, 本試験条件下におけるS-1090の無毒性量は, 母動物の一般毒性に関しては100mg(力価)/kg/日より低い用量, 母動物の生殖機能, 次世代の発生および生殖機能に関しては1000mg(力価)/kg/日と判断した。
日本トキシコロジー学会の論文
2001-05-08

塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第4報) : 経口投与によるラット周産期および授乳期投与試験

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