塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第3報) : 経口投与によるウサギ胎児器官形成期投与試験
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概要
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塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の6.25, 12.5および25mg (力価)/kg/日を1群13〜16例の妊娠ウサギの胎児器官形成期に反復経口投与し, 母動物および胎児に及ぼす影響を検討した。なお, 対照群には0.5w/v%メチルセルロース水溶液を投与した。流産が12.5mg (力価)/kg投与群で1/16例と25mg (力価)/kg投与群で1/14例, 死亡が25mg (力価)/kg投与群で1/14例みられた。母動物においては, 12.5mg(力価)/kg投与群では投与期間の初期に摂餌量の低値がみられた。25mg (力価)/kg投与群では, 妊娠期間中に体重増加の抑制および摂餌量の低値, 剖検で胃幽門部肥厚および盲腸出血, 盲腸重量の高値がみられた。しかし, 6.25mg(力価)/kg投与群では, 一般状態, 体重推移, 摂餌量, 剖検所見および器官重量にS-1090投与による影響はみられなかった。妊娠黄体数, 着床数, 着床率, 死亡・吸収胎児 (胚) 率, 生存胎児数, 生存胎児の性比, 雌雄別胎児体重, 外表異常の出現率, 骨格の異常および変異の出現率, 骨化進行度, 内部器官異常の出現率にはS-1090投与による影響はみられなかった。以上の結果から, 当試験条件下におけるS-1090の無毒性量は, 母動物に対する一般毒性および生殖機能に関しては6.25mg (力価)/kg/日, 次世代の発生に関しては25mg (力価)/kg/日と判断した。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 2001-05-08
著者
-
古橋 忠和
株式会社日本バイオリサーチセンター
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加藤 真之
株式会社日本バイオリサーチセンター
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加藤 真之
株式会社日本バイオリサーチセンター 試験管理部
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古橋 忠和
株式会社日本バイオリサーチセンター 試験管理部
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岸 倉次郎
塩野義製薬株式会社新薬研究所
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長谷川 靖彦
塩野義製薬株式会社 新薬研究所
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長谷川 靖彦
塩野義製薬株式会社新薬研究所
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高橋 政勝
株式会社日本バイオリサーチセンター羽島研究所
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篠田 昭弘
株式会社日本バイオリサーチセンター羽島研究所
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池内 加江
塩野義製薬株式会社新薬研究所
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岸倉 次郎
塩野義製薬株式会社新薬研究所
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