新規抗悪性腫瘍薬S-1の生殖・発生毒性試験 (第4報) : ラット経口投与による周産期および授乳期投与試験
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概要
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S-1の1,4および7 mg/kg/dayをラットの周産期および授乳期に連日経口投与して,母動物および次世代の生後発育に及ぼす影響を検討した。母動物においては,7 mg/kg/day投与により投与期間中の体重および摂餌量の低値がみられた。母動物の分娩および哺育能力においては,妊娠期間,出産率,分娩および哺育状態にはS-1の投与による影響はなかった。F_1出生児においては,4および7 mg/kg/day投与により雌雄体重の増加抑制がみられた。また, 4 mg/kg/day投与群の雌および7 mg/kg/day投与群の雌雄で腎臓重量の低値がみられた。しかし,出産時生児数,生児の性比,死産児数,出生率,生後4日の生存率,離乳率,外表異常の出現率,一般状態,形態分化,反射機能,協調運動,情動性,学習能力,骨格,剖検所見,生殖能力,母動物の分娩および哺育状態にはS-1の投与による影響はなかった。F_2出生児においても,S-1の投与による影響はなかった。以上の結果,当試験条件下におけるS-1の母動物に対する一般毒性学的無影響量は4 mg/kg/day,母動物の生殖に対する無影響量は7 mg/kg/day,F_1出生児の生後発育に対する無影響量は1 mg/kg/day,F_2出生児の発生に対する無影響量は7 mg/kg/dayと推定した。
- 1996-11-27
著者
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藤村 高志
株式会社日本バイオリサーチセンター
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古橋 忠和
株式会社日本バイオリサーチセンター
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加藤 真之
株式会社日本バイオリサーチセンター
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小井田 雅弘
大鵬薬品工業株式会社製薬センター安全性研究所
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加藤 真之
株式会社日本バイオリサーチセンター 試験管理部
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古橋 忠和
株式会社日本バイオリサーチセンター 試験管理部
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