塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第2報) : 経口投与によるラット胎児器官形成期投与試験
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の100, 300および1000mg(力価)/kg/日を妊娠7日から17日まで雌ラットに反復経口投与し, 母動物および次世代の発生に及ぼす影響を検討した。母動物では, 軟便または赤褐色便, 体重増加量の増加, 摂餌量の一過性の減少および摂水量の増加がS-1090の全投与群で観察されたが, 妊娠の維持, 分娩および哺育に対する影響はいずれの投与群にも認められなかった。妊娠母動物および哺育母動物の剖検において, S-1090の全投与群で盲腸の拡張と重量増加が認められた。胎児については, 生存性, 発育, 外表・骨格・内臓の異常発現率および骨化進行度にS-1090投与の影響はみられなかった。出生児についても, 生存性, 外表・骨格異常の発現率, 成長, 身体的発達, 反射・感覚機能, 行動, 性成熟および生殖機能に, S-1090投与の影響はみられなかった。以上の成績から, 本試験条件下におけるS-1090の無毒性量は, 母動物の一般毒性に関しては100mg (力価)/kg/日より低い用量, 母動物の生殖機能, 次世代の発生および生殖機能に関してはいずれも1000mg (力価)/kg/日と判断した。
- 日本トキシコロジー学会の論文
- 2001-05-08
著者
-
兼藤 雅子
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
岸 倉次郎
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
吉田 豊彦
塩野義製薬・油日ラボラトリーズ
-
池内 加江
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
岸倉 次郎
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
原 勝巳
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
村中 理一
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
金森 進
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
平柴 正広
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
内田 浩則
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
川合 基之
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
菱川 敦子
塩野義製薬株式会社 新薬研究所
-
吉田 豊彦
塩野義製薬株式会社新薬研究所
-
菱川 敦子
塩野義製薬株式会社新薬研究所
関連論文
- エピチオ・ステロイドのラット・マウスにおける催奇形性 : I.2α, 3α-Epithio-5α-androstan-17β-01(10275-S)の妊娠中期投与の胎仔への影響
- 塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第3報) : 経口投与によるウサギ胎児器官形成期投与試験
- 塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第4報) : 経口投与によるラット周産期および授乳期投与試験
- 塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第1報) : 経口投与によるラット妊娠前および妊娠初期投与試験
- 塩酸セフマチレン水和物(S-1090)の生殖発生毒性試験 (第2報) : 経口投与によるラット胎児器官形成期投与試験
- 生殖発生毒性試験における雄性生殖毒性評価に関するアンケート調査結果 : その現状と今後の方向性(関西生殖発生毒性フォーラム報告(1)
- 小型精巣をもつ新しい近交系SD/gShi雄ラットにおける精子形成障害
- Diphenylhydantoinによるマウス胎仔の前口蓋孔異常臨界期について
- 生殖発生毒性試験におけるF1生殖機能検査に関するアンケート調査結果 : 特にF1雌動物剖検時期について(関西生殖発生毒性フォーラム(4))
- 偽妊娠ラットの周期的prolactin surgeと視床下部アミンの関係
- 86. 周生期ラットのbetamethasome dipropionateに対する副腎反応の変化
- Teratogenic Characteristics by Single Dosing of Antineoplastic Platinum Complexes in Rats
- 偽妊娠ラットのnocturnal prolactin surge 発現とcholinergic system の関係
- 偽妊娠ラットのprolactin surge発現と性ステロイドの関係
- 偽妊娠ラットの周期的prolactin surgeと視床下部アミンの関係
- 生殖発生毒性試験におけるF1生殖機能検査に関するアンケート調査結果 : 特にF1雌動物剖検時期について(関西生殖発生毒性フォーラム(4))
- 生殖発生毒性試験における雄性生殖毒性評価に関するアンケート調査結果 : その現状と今後の方向性(関西生殖発生毒性フォーラム報告(1)