グレインソルガムを中心とする多毛作型の土地利用システムについて

概要

論文の詳細を見る
農業成長の諸条件についてエスター・ボズラップは1つの動態モデルを掲示し、農業の成長においては、まず人工密度の変化に伴なう「土地利用システムの変化」が先行し、やや遅れて新システムに適応するための「技術の変化と土地保有制度の変化」が続くことを示した。すなわち農業成長の第一義的な原動力は土地利用システムの変化であり、通例最も主要な要因と見なされがちな農業技術の変化はむしろ二義的要因とみられるとした。新作物であるグレインソルガム(以下「ソルガム」とする)の特性は短期多収性にあり、これを農業生産に生かすには、2〜3毛作型の高度土地利用システムを開発し、その中で定着化を図ることが適当と思われる。本報では、2毛作システムにおける晩期ソルガム(7月〜10月)の作物的立地を解析すると共に、併せて中・長期的な地力維持問題の解決を図る試みの一環としてソルガムと大豆による交互作を行ない、その収量性やLER (Land Equivalent Ratio土地利用効率)を検討したので報告する。
日本作物学会の論文
1978-07-20