組織培養におけるニカメイガ幼虫の表皮形成に及ぼすキチン合成阻害剤の影響
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概要
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ニカメイガ休眠幼虫から取り出した皮フ組織を用いて, クチクル形成に必要な培養条件について検討した.クチクルの厚さはGrace培地に溶かしたβ-ecdysone濃度(0∿5μg/ml)と処理時間(0∿48時間)に依存した.1μg/mlのβ-ecdysoneをふくむ培地で24時間培養後, ホルモンのない状態でさらに2日間培養を続けると厚さ5.4±1.2μmのクチクルが形成された.キチン合成阻害剤, polyoxin DやPH 60-38, を培地に加えると, 濃度とともにクチクルの厚さは減少した.中央有効濃度(EC_<50>)はpolyoxin D : 9.77×10^<-6> M, PH 60-38 : 5.62×10^<-7> Mであった.EC_<50>濃度から判定すればPH 60-38はpolyoxin Dにくらべて約17倍阻害が強い.これらの薬剤はクチクル形成の途中で培地に加えても, ただちにクチクル形成を抑制した.ニカメイガ休眠幼虫から得た培養皮フ組織は, 形成されるクチクルの厚さを指標とすれば, 脱皮ホルモンやキチン合成阻害剤などの作用に応じて定量的に応答する安定な生物検定系であることが明らかとなった.
- 日本農薬学会の論文
- 1979-08-20
著者
-
西岡 孝明
京大農
-
藤田 稔夫
Department of Agricultural Chemistry, Kyoto University
-
藤田 稔夫
Department Of Agricultural Chemistry Kyoto University
-
藤田 稔夫
京都大学農学部
-
藤田 稔夫
京大農化
-
藤田 稔夫
京大農
-
中島 稔
京大農
-
中島 稔
Department Of Agricultural Chemistry Kyoto University
-
西岡 孝明
Department of Agricultural Chemistry, Faculty of Agriculture, Kyoto University
-
西岡 孝明
京都大学農学部農芸化学科
-
藤田 稔夫
京大・農
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