いんげん豆貯蔵中の品質変化について : ペクチン,カルシウム,マグネシウム量の変化

概要

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本研究では昭和57年度産のいんげん豆を用い, 低温(5±2℃)貯蔵および室温(20〜33℃)下に1年, 高温(30℃, 82%R.H)下に6か月貯蔵後それぞれ1年10か月, 10か月, 1年4か月低温貯蔵した豆について, ペクチンおよびCa, Mgの変化を検討した。1) 乾燥豆では, 総ペクチンにおいては貯蔵による差は認められなかったが, 不溶性ペクチンにおいては, 高温貯蔵豆が最も多く, 室温貯蔵豆, 低温貯蔵豆の順に少ないことが認められた。2) 乾燥豆のCaおよびMgの量には, 貯蔵による差はほとんどみられなかった。3) 煮豆のペクチン量では, 総ペクチンにおいては種皮に差はみられないが, 子葉では高温貯蔵豆が最も多く, 室温貯蔵豆, 低温貯蔵豆の順に少ないことが認められた。不溶性ペクチンにおいては, 種皮, 子葉いずれも高温貯蔵豆に最も多く, 室温貯蔵豆, 低温貯蔵豆の順に少ないことが認められた。4) 煮豆および煮汁のCa量に関しては, 低温貯蔵の場合, 煮豆中のCa量は最も少なく, 煮汁中に最も多く流出していることが認められた。しかし, Mg量に関しては, 煮豆および煮汁いずれについても貯蔵条件による差は認められなかった。
日本調理科学会の論文
1986-12-20