ガス超高速レンジの温度変化と温度分布について
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概要
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ガス超高速レンジを用いて天板の温度変化と温度分布を測定し,スポンジケーキ,およびパウンドケーキを焙焼した。本実験で得た事項を要約すると次の通りである。1)中段の天板の中心部の温度変化は,所定の温度に達すると作動ランプが消え,自動的に点滅しはじめ2分以後に安定する。所定の温度に達するまでの時間は160℃で4分30秒前後かかり,温度が20℃高まると作動ランプが消えるのに約1分ほど長くなる。2)天板の温度分布は上段では右後方が最も高く,左前方が最も低い。中段では後方が高く前方が低い。下段では左後方が最も高く,右前方が最も低い。しかしその温度差も2分後には±2℃〜4℃となる。3)上・中・下段の天板の中心部の温度分布は,天板1枚ずつ入れた場合には有意差がなく,上・中・下段に3枚の天板を同時に入れた場合は,中段が最も低く,上段,下段の順に高くなっている。しかしその温度差も3分後には±1℃〜2℃となる。4)スポンジケーキの焼き色は,上・中・下段で別々に1枚ずつ焙焼した場合には,ほとんど均一でよい結果が得られた。しかし上・中・下段で同時に3枚のケーキを焙焼した場合は,中段は焼きむらがなくよく焼け,上段は焼き色が濃く,焼きむらがあり,下段は焼き色が薄く,焼きむらがみられた。5)パウンドケーキを1本焼く場合は,170℃36分焙焼した結果がよく,2本または4本同時に焼く場合には,180℃35分焙焼したケーキによい結果が得られた。6)ガス消費量はスポンジケーキ,パウンドケーキ,いずれの場合も同時に多くのケーキを焙焼したほうが,1個当たりのガス消費量が従来のガスオーブンより少ない。したがって超高速レンジは,同時に多くの調理をする大量炊事(集団給食)や学校調理に用いることが時間的にも,ガス消費量の面からも経済的である。終りに本研究に関し,終始ご懇切にご指導いただきました山崎清子教授に深く感謝申し上げます。また,本実験にいろいろ御協力下さいました皆川知子助手,ならびにご便宜をいただきました東京瓦斯株式会杜に厚くお礼申し上げます。
- 1977-09-20
著者
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