臨地実習における看護技術の教育上の課題 : 「環境整備」の学習状況の分析から
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概要
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本研究の目的は,看護学生の臨地実習における「環境整備」の学習状況を分析し,臨地実習における看護技術教育の課題を明らかにすることであった.対象は本学3年生72人で,臨地実習が全て終了した後に調査を行った.その結果,「環境整備」はほぼ全員が実行できていた.しかし「環境整備の意義」と「場面」の記述では,1人あたりの記述件数は少なかった.また場面を伴わない抽象的な意義の記述が多かった.学生個々にみると,環境整備を実施しているが,臨地実習で環境整備の意義や場面が意識化される学習の機会が少ないことが推察された.一方,「環境整備の意義」と「場面」の記述は,それぞれ18カテゴリーに分類された.集団的には,学生は臨地実習で多様な意義を学んでいると考えられた.また記述内容からは,環境整備が対象の看護問題の解決手段として適用されていることが推察された.以上のことから,今後の臨地実習における看護技術の教育上の課題として,学生が学習の機会を意識化できるような意図的な関わり,看護技術教育と臨地実習を担当する教員や実習指導者の緊密な連携,臨地実習の多様な学びの機会を学生個々の学びの機会につなげていくような指導のあり方を検討していく必要性が示唆された.
- 秋田大学の論文
- 2003-03-31
著者
-
石井 範子
秋田大学医学部保健学科看護学専攻
-
佐々木 真紀子
秋田大学医学部保健学科看護学専攻
-
長谷部 真木子
秋田大学医学部保健学科看護学専攻
-
石井 範子
秋田大学医学部保健学科
-
石井 範子
秋田大学医療技術短期大学部
-
長谷部 真木子
秋田大学医学部保健学科
-
佐々木 真紀子
秋田大学医学部保健学科
-
佐々木 真紀子
秋田大学医学部保健科
-
石井 範子
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻 基礎看護学講座
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