<原著論文>大学生の友人関係における心理的距離のとり方
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概要
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本研究では, 青年期の友人関係における心理的距離のとり方の構遠化を明らかにするため, 大学生での心理的距離のとり方の全体像を探り仮説を提示することを目的とする。具体的には, 1)大学生の友人関係における心理的距離のとり方を抽出し, 2)1)で得られた心理的距離のとり方に共通する心理的要因を探り, 3)大学生における心理的距離のとり方の特徴を明らかにする。その結果, 大学生の友人関係における心理的距離のとり方には, 6種類が抽出された。そしてこの6つの心理的距離のとり方は, 先行研究での見解にあった「遠い一遠い」を対極とする「心理的距離の遠近」に加え, 新たに見出された「柔軟さ一固定的」を対極とする「心理的距離の柔軟性」という2つの次元で整理されることが明らかとなった。さらに大学生では「心理的距離の柔軟性」の次元の対極に位置する「互いを尊重する柔軟な距離のとり方」と「表面的関係から踏み出せない距離のとり方」が共に多くみられ, 現代大学生にとって両者が混同されやすい距離のとり方であることが示唆された。
- 茨城県立医療大学の論文
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