<原著論文>中学生のコラージュにみられる思春期の発達的特徴
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概要
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本研究は, コラージュという臨床的技法を学校場面に導入し, 生徒の心理の理解と発達援助を目的としたものである。そのために, 中学生の5つの事例を取り上げ, そのコラージュに表れている思春期の特徴的な表現を整理し, 発達心理学的側面から検討した。その結果, 第二次性徴, 自己像の表面と内面の二重構造による葛藤, 視線恐怖傾向, 自信の欠如, 自尊心の高さ, 自己コントロール不可能なはみ出す自我, 安定基盤の希求などといった思春期特有の心理的な発達特徴が表れていることが明らかとなった。これらの結果は, 健康か不健康かという一元的な分類ではなく, 発達上の一時的・必然的な混乱として理解するべきであろう。作成者にとって比較的抵抗が少なく, 実施者にとっても簡便なコラージュという技法によって, 学校場面においても生徒の発達的な特徴や心理状態が表現され, 思春期心理の理解に大いに役立つと考えられた。
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