カーネーションの花色発現に関する研究 : 第 6 報アントシアン含量の季節変化について(園芸農学)

概要

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カーネーション花弁におけるアントシアン含量の季節変化を通じて, アントシアン生成に対する環境要因の影響を解析するために, 温室栽培下の8品種を用いて実験を行なった。各品種ともにアントシアン含量は採花を始めた10月より次第に増加し, 12月から翌1月にかけて最高値を示し, 2月以降徐々に下降線をたどった。季節によるアントシアン生成量の増減は'イルミネーター'と'オーキッド・ビューティ'において大きく, 品種によって環境に対する反応が異なった。日長時間および日射量はアントシアン含量の高まる時期において最低値を示した。一方, 温度については, 低温になるにつれてアントシアンの生成は促進され, 平均気温が20℃よりやや低い時期にその含量は多かった。これらのことから, 温度はカーネーションのアントシアン生成に対して, 光よりも大きな影響をもつ要因ではないかと思われる。葉内糖含量はアントシアンの減少する2,3月に増加が見られ, アントシアン含量との間に相関は認められなかった。
神戸大学の論文