リュツォ・ホルム湾域を中心とした沿岸露岩・大陸氷床・海氷表面形態の航空機調査報告1996-1998 (JARE-38)

概要

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第38次日本南極地域観測隊(以下JARE-38と略す)の越冬期間中において, 地学研究部門を中心に固定翼航空機(セスナ式A185型)を用いた種々の地学・雪氷学的な予察調査・偵察飛行を実施した。主なフライトとしては, リュツォ・ホルム湾地域の積雪, 氷状の季節変化を調べるための沿岸露岩域の空撮を行い, 表層地形・地質構造との相関を調べることで, 越冬期間における地上での現地調査のための基礎資料とした。また, 大陸氷床上みずほHルート東側にある裸氷帯およびモレーンの調査を実施し, 将来の地学・雪氷探査のための基礎資料の収集を行った。さらに, 昭和基地周辺の大陸氷床上において, JAREにおける将来の大型航空機導入のための滑走路候補地の調査も行った。他に氷状偵察等を含め, 関連のJARE-38越冬期間中のフライトは, 計15回, 43時間55分に達した。さらに, 往復路のアムンゼン湾調査では, 「しらせ」搭載のヘリコプター(シコルスキーS-61A型)を用いて, 主に湾周辺の雪氷環境を調べ, 将来の人工地震探査の測線の候補地を選んだ。これらのフライトにより, 地震探査や大型航空機の導入など, 観測・設営の両面において, 今後の南極観測における貴重な資料が得られた。