K-9M-47号機による電離層光電子の測定
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概要
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1974年9月19日11時に打ち上げられた観測ロケットK-9M-47号機によって高度約330kmまでの光電子を測定した.測定器は同心半球形静電分析器をエネルギー分析器として使用した電子スペクトロメータである.ロケット計測器としての構成およびデータ処理において,電離層光電子以外に原因をもつ信号(spurious counts)の除去のための配慮をしたエネルギー範囲は1〜58eVであって主な実験結果は以下の通りである.(1)ピッチ角分布はほぼ等方的である.(2)約20eV以下のエネルギー分布は光電子のエネルギー緩和過程を反映した特徴を有する.その最たるものは,窒素分子の共鳴振動励起によるくぼみ(2〜3eV)である.(3)約20eVより高いエネルギー領域では光電子の生成過程を反映した構造が見い出される.すなわち,20〜30eVに存在する幾つかのピークおよび55eV以上での急激な減少である.(4)高度が高くなるとエネルギー分布はなめらかになる.(5)最大光電子フラックスの高度は180〜220km(エネルギーに依存)である.
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