<原著>5か年の観察で確認した基本健康診査受診群・未受診群の比較
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概要
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健(検)診受診率向上で成果を挙げている一町で,受診者台帳に基づいて捉えた1986年〜1990年の5か年間の基本健康診査(以下健診と略す)受診回数から,4ないし5回受診者と,一度も受診していない未受診者を調べ,両者の性・年齢・職業等の特徴を明らかにすると共に,がん検診の受診行動や治療行動,健康状態,日常生活状況から,健診受診行動による健康意識と行動の特徴の分析を試みた。その結果,以下の事が明らかになった。1.受診群は1990年度の44歳以上対象者の32%で473人,未受診群は6%で85人であり,また,各々1990年度の44歳以上受診者の54%,44歳以上未受診者の14%を占めていた。2.未受診群は,性別構成に差はないが,年齢では,男の40,50歳代が多い。3.健診受診行動と胃・子宮がん検診の受診行動は関連があり,未受診群の約8割は,同じ5年間に1度も検診を受けていなかった。4.自覚症状の訴えは両群で差が無いが,未受診群は治療行動を取っているものが少ない。5.食生活では,未受診群の方が,同町で指導に重点を置いてきた緑黄色野菜や乳製品の摂取割合が少なく,日常の食生活で意図的に実行していることも少ない。以上から,未受診行動が定着している者は,予防的対処行動が取れていない。この集団は,住民の健診受診歴を時系列的に整理することで把握が可能であり,プライマリーヘルスケアの推進のためには,この人々に焦点を当てた個別対応の必要性が明らかになった。
著者
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