知的障害児における身体活動を通した曲把握についての研究 : 曲に動きをつけようという授業の分析を通して
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概要
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本研究の目的は,知的障害児が身体活動を通していかに曲を把握していくのか,ということを明らかにすることである。そのために,「曲に自由に動きをつけよう」という,実践的アプローチを試みた。そして,子どもは曲のどのような要素にどう反応するのかという視点より分析した。その結果,次の事が明らかになった。1.子どもは身体を動かして,曲の構成的な仕組みや表現的特質を捉える。2.子どもは曲の構成的仕組みを,先ずは直観的に把握し,更に分析的に把握していく。3.子どもは曲の構成的仕組みを掴めば掴むほど,曲の表現的特質を捉える事ができる。4.本実践においては,子どもは曲の基本的仕組みを掴むことから,微妙な表情の把握まで進んだ。ここでは,身体活動は,ア.基本的動作→イ.独自の動き→ウ.表情のある動き→エ.表情豊かな動き,という形で表れてきた。The purpose of this study is to clarify how the intellectually disabled children grasp music through body movements. For this purpose a practical approach, "Making movements freely to the music" was done. Here I analyzed from the following standpoint of view; What kinds of constituent elements of the music do they react to and how do they react to them? The analysis lead the following; 1. The children grasp the constituent elements and expressive qualities of the music by moving their body. 2. They grasp the constituent elements of the music intuitively first, and furthermore analytically. 3. The more they perceive the constituent elements, the more they can grasp the expressive qualities of the music. 4. they began by perceiving the fundamental constituent elements of the music and advanced to grasp the delicate expression. Here body movements took the following form. ア. fundamental movements →イ. their original movements→ウ. expressive movements →エ. movements with full of expression
- 大阪教育大学の論文
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