オルフの音楽教育における身体活動の発展性(第2報) : オルフ研究所におけるセミナーの分析を通して
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概要
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オルフ研究所のセミナーで行われた誉田真理氏による身体活動の授業を,その発展性という視点から分析・考察した。活動は易しいことから複雑なことへ,音楽の小さな単位の経験から形式のある作品づくりへと発展した。そこで子どもは対象の持つ構造を,ア.音の存在に気づく→イ.音楽の小さな単位の知覚→ウ.全体像の知覚→エ.知覚した対象の表現→オ.カノンやアンサンブルで表現,という過程で認識した。ここでは,子どもの音楽経験はスパイラル状に上昇方向で広げ深める形で,また,学習対象を身体活動を通して行動的かつ映像的に把握させるよう,或いは,最初は直観的に,次に,分析的に把握させるよう組織されていた。I attended a seminor on "Learning Expression" held at Orff-Institute. The lessons given there were on "An Ensemble of Movement and Speech", and "Impromptu Dance". Among them I paid attention to the lesson on Body Movements by Ms. Mari Honda. It began with playing at the ball and developed into an ensemble by bodily percussion. The lesson there developed systematically. I analyze the activity mentioned above from three points of view. 1. How did their body movements develop with the contents of music they experienced? 2. How did they recognize the contents or music they experienced? 3. How did their teacher form their musical experience?
- 大阪教育大学の論文
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