ゼニガタアザラシの写真及び個体情報デジタルデータベース : 野生哺乳類の長期野外研究を支援する試み
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概要
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哺乳類の生態や行動に関する野外調査には,しばしば複数の調査者の協力が必要となる.多くの哺乳類は寿命が長く行動範囲が広いからである.このようなチーム研究を維持するには,各メンバーのデータを集約保存し,メンバー全員で共有するシステムが必要である.本論文では,ゼニガタアザラシ(Phoca vitulina stejnegeri)の個体識別調査を支援するために開発したシステムについて報告する.このシステムは2つのデータベースからなる.野外で撮影された写真を管理する写真データベースと,識別された個体についての情報や観察記録を管理する個体データベースである.システムはインターネット上に置かれ,メンバーは,どこからでも新しいデータを登録でき,また登録済みデータを研究のため利用することができる.近い将来,本システムは以下のような研究に貢献すると期待される.上陸場間の移動行動の研究,生活史パラメーター(齢別死亡率,出産間隔等)の推定,個体数の推定,社会構造の研究,等である.
- 2010-12-30
著者
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中田 兼介
東京経済大学
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小林 万里
東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科
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藪田 慎司
帝京科学大学アニマルサイエンス学科
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刈屋 達也
帯広畜産大学原虫病研究センター
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藪田 慎司
帝京科学大学
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小林 万里
北の海の動物センター
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小林 由美
北海道大学水産科学院海洋応用生物資源科学専攻
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小林 由美
北海道大学大学院水産科学院資源生態学領域
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刈屋 達也
ひれあし研究会
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藤井 啓
ひれあし研究会
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千嶋 淳
ひれあし研究会
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石川 慎也
えりも町交流促進センター襟裳岬「風の館」
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川島 美生
ひれあし研究会
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中田 兼介
長崎総合科学大学工学部共通教育センター
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小林 由美
北海道大学大学院水産科学院
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小林 万里
東京農業大学 生物産業学部 アクアバイオ学科
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小林 由美
北海道大学大学院水産科学研究院資源生物学講座資源生態学領域
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小林 万里
東京農業大学
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