箱罠とふくろ網罠を用いたゼニガタアザラシ Phoca vitulina stejnegeri の捕獲
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概要
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サハリンの先住民族であるニブフ族が,ゴマフアザラシPhoca larghaの狩猟に利用していた箱罠,および北海道東部厚岸湾内で地域住民がゼニガタアザラシPhoca vitulina stejnegeriの狩猟に用いていたふくろ網罠を改良し,厚岸湾内でゼニガタアザラシの捕獲を試みた.その結果,捕獲まで至らず逃罠した事例(箱罠で1頭,ふくろ網罠で2頭)があったが,成獣のゼニガタアザラシ計3頭の捕獲・放獣に成功した.改良した箱罠は,1)捕獲効率(設置期間あたりの捕獲頭数)が高い,2)捕獲個体が罠内部で怪我や体力を消耗しにくい,3)捕獲後に個体を麻酔して不動化させるまでが容易,4)製作費用が安価,そして5)罠の設置と回収にかかる労力が少ない,といった点でふくろ網罠に比べて総合的に優れていると判断された.本方法により,人にも動物にも安全で,成獣も捕獲できるゼニガタアザラシの捕獲手法が確立された.今後は,罠の改良など捕獲効率の向上や非選択的な捕獲方法の検討が必要である.
- 2011-06-30
著者
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桜井 泰憲
北海道大学大学院水産科学研究院
-
小林 万里
東京農業大学生物産業学部アクアバイオ学科
-
桜井 泰憲
北大院水
-
桜井 泰憲
北大
-
桜井 泰憲
北海道大学大学院水産科学研究科資源生産生態学講座
-
渡邊 有希子
猛禽類医学研究所
-
渡辺 有希子
猛禽類医学研究所
-
小林 万里
北の海の動物センター
-
桜井 泰憲
北海道大学大学院水産科学研究科
-
SAKURAI YASUNORI
Graduate School of Fisheries Sciences, Hokkaido University
-
小林 由美
北海道大学水産科学院海洋応用生物資源科学専攻
-
Sakurai Y
Hokkaido Univ. Hokkaido Jpn
-
Sakurai Yasunori
Marine Bioresource Science Division Of Marine Bioresource And Environmental Science Graduate School
-
小林 由美
北海道大学大学院水産科学院資源生態学領域
-
小林 由美
北海道大学大学院水産科学院
-
高田 清治
北海道厚岸郡厚岸町
-
蔵谷 繁喜
北海道厚岸郡厚岸町
-
小川 泉
北海道厚岸郡厚岸町
-
堀内 秀造
北海道厚岸郡厚岸町
-
馬場 浩
北海道厚岸郡厚岸町
-
Kobayashi Mari
Laboratory Of Wildlife Biology Department Of Environmental Veterinary Sciences Graduate School Of Ve
-
Sakurai Yasunori
Graduate School Of Fisheries Science Hokkaido University
-
Sakurai Yasunori
Laboratory Of Marine Biosources Ecology Graduate School Of Fisheries Sciences Hokkaido University
-
Sakurai Yasunori
Laboratory Of Marine Ecology Graduate School Of Fisheries Sciences Hokkaido University
-
Watanabe Yukiko
Department Of Veterinary Anatomy Obihiro University
-
桜井 泰憲
Division Of Marine Environment And Resources Graduate School Of Fisheries Sciences Hokkaido Universi
-
桜井 泰憲
北大 大学院水産科学研究院
-
小林 万里
東京農業大学 生物産業学部 アクアバイオ学科
-
小林 由美
北海道大学大学院水産科学研究院資源生物学講座資源生態学領域
-
桜井 泰憲
北海道大学大学院水産科学研究所
-
小林 万里
東京農業大学
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