動画資料を使ったフィールド生物学者の自然教育への貢献(<特集>環境教育「生態学会と初等中等教育の連携をめざして」)
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概要
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自然教育の目的の一つは、子供たちに自分の身の回りの自然を好きになってもらう事である。動物の行動は人間の行動と機能的、外形的に共通する部分が多く、子供たちを自然の中で振る舞う動物を観察するよう導く事は、自然への親近感・共感を引きだす事に通じ、自然教育の目的に適うものである。そして、動画資料を使用する事で自然教育における行動観察の効果がより高められるだろう。動画を事前学習で使えば、子供たちの観察に対するモチベーションやセンスを高める事ができる。自然観察の最中では、人の目ではなかなか見る事のできない現象を見せる事ができる。そして動画撮影を行なう事を目的とする事で、観察会を一過性のイベントに終わらせる事なく、後の議論や成果発表に繋げて行く事ができる。一方、動物を扱うフィールド生物学者はしばしば研究対象を動画に撮影する。このような動画資料を研究者が持ちより、広く利用できるように公開すれば、自然教育の現場を支援すると言う意味で重要な貢献になるだろう。筆者たちを含む有志のグループは、このように考え2003年からインターネット上で「動物行動の映像データベース」(http://www.momo-p.com)というウェブサイトを立ち上げて運営している。このサイトには研究者と教育関係者を含む一般の利用者とを繋ぐ様々な機能が用意されており、研究者は特に教育関係者の事を考慮せずとも、自ら所有する動画資料をインターネットに接続されたコンピュータから登録するだけでよいのである。
- 2006-08-31
著者
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