可読性の向上を目的とした片仮名表記外来語の換言知識獲得(自然言語処理)

概要

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本論文では, 外来語である片仮名語, 特に英語を語源とした片仮名語の和語または漢語への換言のための知識獲得に関する研究を行った結果を報告する.近年, 公的文書等における難解な片仮名語の乱用が問題視されている.片仮名語の大部分は英単語に基づく外来語であり, 従来日本語で用いられてきた語彙に換言可能な場合も多い.換言とは, ある言語表現の意味内容を保持したまま, 別の表現へと言い換えることであり, 自然言語処理のための要素技術として, 今後ますます重要になると認識されている.換言するための知識は人手で作成することもできるが, 実用的な質と量を満たすためには, 多大な労力を要する.そのため, 換言知識は可能な限り自動的に獲得することが望ましい.以上より, 本研究では, 難解な片仮名語をより理解しやすい語へと言い換えるための換言知識を自動的に獲得することを目的としている.手順としては, まず, 片仮名語のもとになった英単語を復元する.そして, 得られた英単語の日本語訳を辞書によって獲得し, 候補を絞り込む.実験の結果, 英単語復元は再現率82.2%, 精度81.1%を得, 換言候補獲得については再現率14.6%, 精度70.8%となった.
2005-07-01