4-nitroquinoline 1-oxide誘発ラット舌癌由来培養細胞モデルに対する微粒子二酸化チタンの光触媒効果
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概要
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光により励起された微粒子二酸化チタン(酸化チタン)表面は非常に強い酸化力を持ち, 近年, この強い反応性を癌治療に応用する試みが報告されている.今回, 4-nitroquinoline 1-oxide (4-NQO)誘発ラット舌癌由来培養細胞モデルを用い, 培養液に酸化チタンを添加し細胞内に取り込ませた後に光照射を行い, 各種酸化チタンの光触媒効果を検討するとともに, 光触媒効果で細胞死が誘導される機序を検索した.酸化チタンとしてST-41, TP-3およびP-25の3種を用いた.1. 培養細胞を含む培養液に1.0%の濃度となるようにST-41, TP-3, P-25を別々に添加し, 細胞を48時間培養した後に光照射を行った時の生細胞率は, 照射90分でP-25は50%, TP-3は60%であったのに対し, ST-41では3.4%と著しく低く, ST-41の殺細胞効果が最も優れていた.2. ST-41を1.0%, 3.0%, 5.0%の濃度となるように添加し, 光照射時間30分, 60分, 90分後の生細胞率を測定すると, 生細胞率はST-41の濃度が高いほど, また光照射時間が長いほど低下していたが, 照射時間90分ではいずれの濃度でも1〜3%であった.3. ST-41を1.0%の濃度となるように添加後48時間培養し, 光照射を行った培養細胞のapoptosisラダーの検索を行ったところ, apoptosisの初期現象である185bp単位に切断されたDNAがラダー状に観察された.以上, 4 NQO誘発ラット舌癌由来培養細胞モデルに対する酸化チタンの光触媒効果は, ST-41が最も優れ, 照射時間60分までは濃度依存的, 光照射時間依存的に殺細胞効果を示したが, 照射時間90分の生細胞率は濃度差がなく, 数%であった.また, その細胞死の機序としてapoptosisが関与していることが判明した.これらのことからST-41の光触媒効果を癌治療に利用できる可能性が示唆された.
- 2005-06-25
著者
-
森田 章介
大阪歯科大学口腔外科学第1講座
-
森田 章介
大阪歯科大学歯学部口腔外科学第一講座
-
森田 章介
大阪歯科大学口腔外科第2講座
-
佐野 寿哉
大阪歯大・口腔外科第1
-
佐野 寿哉
大阪歯科大学
-
森田 章介
大阪歯科大 口腔外科学第1
-
佐野 寿哉
大阪歯科大学口腔外科学第1講座
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