日本人の研究者による哺乳類の学名と模式標本のリスト
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本人の研究者による哺乳類の学名の記載とその学名を付与した模式標本の保管状況を把握することは, 哺乳類学の基礎である分類学を確立するためには欠くことができない. しかし, 日本の哺乳類研究者がいままでに記載発表した哺乳類の新種・新亜種などの学名と模式標本のリストは今泉(1962)を除いてなく, それも未完である. 日本におけるこのような状況を改善するために, 2000年までの日本人哺乳類研究者が記載した学名と出典文献のリストを作成した. このリストには"nom. nud."などの無資格名も含んだ. 結果として, 適格名206のうち, 模式標本が現在も保管されている学名は64(31.1%), 模式標本が消失した学名は57(27.7%), および模式標本の所在が未調査("N.V.")の学名は85(41.3%)となった. 以上の結果から, 我々は動物学標本と文献を永久に保管できる国立の自然史博物館の設立を強く希望する.Given that the type specimen for a scientific name provides the objective standard of reference in taxonomic studies, the preservation of the type specimen remains the most fundamental method for proving of discovering facts thereafter. Since the Meiji Era in Japan, however, no attempt has been made to establish a Japanese National Museum of Natural History in order to maintain the type and other specimens and taxonomic literature (se Kaneko, 1998). A few institutions have published lists of the type specimens concerned (Kuroda, 1966; Endo, 1997, 1997, 1998, 2000), but no list of all scientific names and type specimens of mammals described by Japanese reserchers in available, except for Imaizumi (1962), who published a list on the three orders of Insectivora, Chiroptera, and Primates up till 1950. In order to improve this situation in Japan, the authors have compiled a list of scientific names and the type specimens of mammals published by Japanese reserchers until 2000. We have referred to all the original literature except for one cas(*). New scientific names published arearranged in the order of the date of publication in the following mammalian orders: Insectivora, Chiroptera, Primates, Lagomorpha, Rodentia, Carnivora, adn Artiodactyla. A name which is unavailable is noted as "nom. nud.", this being one which does not satisfy Articles 10-20 in "International Code of Zoolocial Nomenclature (4th ed.)" published in 2000. "N.V." indicates that the current condition of the preservation of the specimens is unknown. As a result of this investigation, Japanese mammalogists have described 206 scientific names as new species or subspecies, as well as 60 unavilable names (Table 1). Sixty-four type specimens (31.1%) have been preserved in various institutions. Fify-seven type specimens (27.7%) have been lost or destroyed. There are 85 type specimens (41.3%) the whereabouts of which remain unclear. This situation is clearly inadequate for zoological studies, suggesting a need for the establishment of a new Japanese ...
- 日本哺乳類学会の論文
- 2002-06-30
著者
-
前田 喜四雄
奈良教育大学教育学部附属自然環境教育センター
-
前田 喜四雄
奈良教育大学教育学部付属自然環境教育センター
-
前田 喜四雄
Npo法人東洋蝙蝠研究所
-
前田 喜四雄
奈良教育大学
-
金子 之史
香川大学教育学部生物学教室
-
金子 之史
香川大・教育・生物
-
Maeda Kishio
Center For Natural Environment Education Nara University Of Education
-
金子 之史
香川大学教育学部
-
Kaneko Yukibumi
Biological Laboratory Faculty Of Education Kagawa University
関連論文
- ヌートリアを瀬戸内海の本島・手島・小手島(香川県丸亀市),および小豆島・豊島(香川県小豆郡)で捕獲・目撃
- ユビナガコウモリ Miniopterus fuliginosus (Hodgson, 1835) が利用する紀伊半島南部の3洞窟における気温
- 奈良県吉野郡下北山村に見られるユビナガコウモリ (Miniopterus fuliginosus) 冬眠群の移動 : (1) 出産・子育て場所
- 香川県志度町小田沖で捕獲(1944年)されたカワウソ毛皮標本
- 奈良教育大学附属演習林(現自然環境教育センター奥吉野実習林)における土壌動物
- 白神山地積雪期調査1971
- 日本列島におけるユビナガコウモリの個体数推定
- 奈良教育大学附属自然環境教育センター奥吉野実習林のコウモリ相
- R5 野生生物保護学会関連シンポ「日本におけるコウモリ類の移動」(自由集会,講演要旨,野生生物保護学会2004年大会大会報告)
- 北海道南西部のコウモリ類
- 和歌山県白浜町で出生したユビナガコウモリ,Miniopterus fuliginosusの移動(1)2003,2004年
- P04)紀伊半島南部におけるユビナガコウモリの移動(予報)(ポスター発表,講演要旨,野生生物保護学会2003年大会大会報告)
- P01)クビワコウモリ用人工繁殖施設(乗鞍高原バットハウス)の構造とその利用について(ポスター発表,講演要旨,野生生物保護学会2003年大会大会報告)
- 南西諸島西表島大富第一洞におけるカグラコウモリ, Hipposideros turpis Bangs, 1901の最近10年間の個体数変化
- 滋賀県多賀町の鍾乳洞「河内風穴」におけるテングコウモリ, Murina leucogaster Milne-Edwards, 1872の個体数の年間変動
- 北海道におけるアブラコウモリ Pipistrellus abramus の初記録
- P08) 西表島産 3 種小型コウモリ類の採餌環境(ポスター発表, 野生生物保護学会 2002 年大会大会報告 : 講演要旨)
- 小型コウモリ類の絶滅したと想像される南西諸島内の3島と現存している島の森林率
- 資料 北海道におけるコウモリ類研究文献一覧表
- 西表島産3種の小型コウモリ類の採餌環境(1)いわゆる開けた場所と樹木に被われた場所の差異
- 特別な配慮を必要とする幼児の教育的支援 -感情の起伏が激しく気持ちのコントロールがしにくい幼児を支える集団づくりの実践を通して-
- 我が国に定着した2種の外来齧歯類(タイワンリスCallosciurus erythraeusおよびヌートリアMyocastor coypus)の寄生蠕虫類に関する調査
- 近畿地方における大型陸生貧毛類相
- 分布研究はなぜ必要か
- 福島県磐梯山地域におけるヒメヒミズとヒミズの分布とその変遷
- 尾瀬地域の Eothenomys (ビロードネズミ属)の同定と分布
- コウモリやクジラはなぜ哺乳類でなければならないか
- 自然へのアプローチ-今,若い研究者がとりくんでいること-6 奈良教育大学教育学部付属自然環境教育センター研究室の今
- 日本におけるVespertilio murinusの初記録
- 日本人の研究者による哺乳類の学名と模式標本のリスト
- 徳之島からのリュウキュウテングコウモリ,Murina ryukyuana Maeda & Matsumura,1998の記録
- 飛翔コウモリの通過個体数確認の試み
- 沖縄島で採集されたヤマコウモリNyctalus aviatorの記録
- コウモリ研究グループ自由集会
- コウモリ研究グループ集会
- コウモリについての意識と知識
- 日本産翼手目(コウモリ類)の和名再検討
- 西欧・アメリカ合衆国の自然史博物館
- コウモリ研究自由集会
- 日本産翼手目(コウモリ類)の分類レビューと解説
- How to ぶんるいがく
- コウモリ研究グループ集会
- コウモリ研究グループ集会
- 小学校「理科」3〜6年教科書(6社)の比較検討(2)小学校5・6年
- 小学校「理科」3〜6年教科書(6社)の比較検討(1)小学校3・4年
- 学部における実験教材研究を中心とした授業の改善のための学部・附属教員による協同的研究
- 「すべての人々のための科学リテラシー」試案の作成
- 中学校理科教科書の比較検討(その2) : 新教科書の比較
- 中学校理科教科書の比較検討(その1) : 新旧教科書の比較
- 保育参加による大学授業の改善 -附属幼稚園との連携による「幼児と環境Ⅱ」の実践を通して-
- 特別な配慮を必要とする幼児の教育的支援(その2)こだわりがあり人とのコミュニケーションがとりにくい幼児の実践を通して
- 奈良教育大学構内の鳴く虫と理科教育
- 自然素材を活かした幼児の感性を高める保育実践の研究 -土・砂との触れ合いを中心に-
- 奈良教育大学附属幼稚園におけるセミ類の発生に関する研究 ―奈良教育大学構内との比較
- 自然物を採り入れた保育実践の研究 ─幼児の豊かな感性を育てることを目指して─
- 「初等理科」(実験)に対する学生の意識調査 : 香川大学教育学部における場合
- 齧歯目ネズミ科ネズミ亜科とハタネズミ亜科の分類, 地理的分布, および種分化
- Habitat Preference of Apodemus speciosus and Microtus montebelli in Lowland Habitats in Western Honshu and Northern Shikoku, Japan
- 平地におけるハタネズミとアカネズミの生態的分布(生態学)
- 琉球列島宮古島ピンザアブ洞穴における化石ハタネズミ科臼歯について
- The Biology of the Vole Clethrionomys rufocanus: a Review
- 世界遺産・春日山原始林を考える会を作ろう
- ハタネズミの繁殖に関する地理的変異
- 日本産ネズミ類の骨盤・後肢の形態比較 : 第2報 生態的・系統的観点からみた特徴
- R3) コウモリ研究, および観察会におけるコウモリへの人的被害 : デイスターブ(自由集会, 野生生物保護学会 2000 年大会大会報告 : 講演要旨)
- コウモリ--この不思議な動物 (特集2 ミステリアスな隣人--コウモリを科学する)
- 南西諸島徳之島におけるコウモリ類の生息実態およびコウモリの新記録
- Preserved paratypes of Kuroda's (1924) Ryukyu mammals
- コウモリの翼の個体発生
- 同緯度(36°34'-35'N)・標高差約2,200mのハタネズミの2個体群の形態的差異(分類・系統学)
- 長野市低山帯のヤチネズミの外部・頭骨等の特徴について(生態学・行動学)
- 四国・讃岐山脈麓の農耕地とその周辺部におけるスミスネズミの分布(生態学)
- 小地域内のハタネズミの変異 : 体重・外部形態・頭骨および胎児数等について(生態学)
- 哺乳類学者・進化学者 徳田御稔の足跡
- Age variation of the third upper molar in Eothenomys smithii
- Morphological variation and geographical and altitudinal distribution in Eothenomys melanogaster and E. mucronatus (Rodentia, Arvicolinae) in China, Taiwan, Burma, India, Thailand, and Vietnam
- Identification and Morphological Characteristics of Clethrionomys rufocanus, Eothenomys shanseius, E. inez and E. eva from the USSR, Mongolia, and Northern and Central China
- The author and date of publication of the Sikkim vole Microtus sikimensis
- Morphological discrimination of the Ryukyu spiny rat (genus Tokudaia) between the islands of Okinawa and Amami Oshima, In the Ryukyu Islands, southern Japan
- Identification of Apodemus peninsula, draco and A. latronum in China, Korea, and Myanmar by cranial measurements
- 蒜山川上村農耕地周辺の小哺乳類
- 金子之史著作目録(1968〜2006年) (金子之史教授退職記念号)
- ラオスにおける「実験等を通じた初等中等理科教育研修会」の報告
- 分類と形態からみたビロードネズミ属とヤチネズミ属
- 日本産の齧歯類(野鼠および家鼠)の分類学史的検討
- 「日本の哺乳類--各論編」の再開にあたって
- シリーズ 日本の哺乳類 各論編,日本の哺乳類17 スミスネズミ
- Identification and Some Morphological Characters of Clethrionomys rufocanus and Eothenomys regulus from USSR, Northeast China, and Korea in Comparison with C. rufocanus from Finland
- スミスネズミとカゲネズミ間における標徴形質(乳頭と陰茎骨)の検討
- 四国・讃岐山脈山麓の農耕地とその周辺部におけるスミスネズミの分布〔英文〕
- 学びを拓く「附小タイム」の実践から ("生きる力"を育てる総合的な学習の構想) -- (「生きる力」を育てる総合的な学習)
- Taxonomic status of Apodemus semotus in Taiwan by morphometrical comparison with A. draco, A. peninsulae and A. latronum in China, Korea and Myanmar
- 哺乳類学者・進化学者 徳田御稔の足跡
- The effect of roost environment on roost selection by non-reproductive and dispersing Asian parti-coloured bats Vespertilio sinensis
- ヌートリアを瀬戸内海の本島・手島・小手島(香川県丸亀市)および小豆島・豊島(香川県小豆郡)で捕獲・目撃
- Identification of Apodemus peninsula, draco and A. latronum in China, Korea, and Myanmar by cranial measurements
- 香川県志度町小田沖で捕獲(1944年)されたカワウソ毛皮標本
- コウモリの翼の個体発生
- 本州西部および北四国の農耕地におけるアカネズミとハタネズミの棲息場所の比較〔英文〕
- スミスネズミとカゲネズミ間における標徴形質(乳頭と陰茎骨)の検討