カキ'富有'および'次郎'に着生した雄花について
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概要
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雄花を着生しないとされているカキ富有と次郎に雄花を着生した新梢が発見された. それらの新梢を高接ぎして, その雄花の特性を調査するとともに, アイソザイム分析および形態的形質の比較によって, 正常な富有および次郎樹との同一性を検討した. 高接ぎ後, 新梢に雄花が着生し, その雄花から採取された花粉には発芽能力と受精能力があることが確認された. 成葉を用いてグルタメートデハイドロゲナーゼ(GDH), グルコースフォスフェートイソメラーゼ(GPI), マレートデハイドロゲナーゼ (MDH), およびフォスフェートグルコミュターゼ (PGM) のデンプンゲル電気泳動パターンを比較した結果, 雄花着生枝と正常樹との間には, 4酵素とも差異が認められなかった. また, 形態的な比較においても, 雄花を着生する形質以外に雄花着生枝と正常樹との間に明確な差異は認められなかった. 以上の結果から, 今回得られた富有と次郎の雄花着生枝は, 正常な富有および次郎と遺伝的に同一であるか, あるいは雄花着生能力を有した突然変異体であろうと考えられた.
- 園芸学会の論文
- 1995-06-15
著者
-
薬師寺 博
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点
-
薬師寺 博
果樹試験場
-
山田 昌彦
果樹試験場カキ・ブドウ支場
-
米森 敬三
京都大学農学研究科
-
佐藤 明彦
果樹試験場安芸津支場
-
木村 伸人
愛知県農業総合試験場
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