加工食品原材料中における残留農薬濃度の推定の試み
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概要
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加工食品から一律基準値を超えて残留農薬が検出された場合,その基準適合性を判断するために,製品を構成する原材料の残留基準への適合性を検証する必要がある.しかし,製品に使用された原材料を入手することが困難であることが多い.本研究では実際にパクロブトラゾールが検出された2種類の高菜漬けを用いて,原材料である加工前の高菜中のパクロブトラゾール濃度の推定を試みた.当該高菜漬けは製品重量の99.8%以上を占める高菜および漬け汁と,ごまの種子または唐辛子が混在していた.高菜漬けを原材料ごとに分別し,高菜および漬け汁中のパクロブトラゾールを分析した.漬け汁中には,高菜中の約1/10倍濃度のパクロブトラゾールが検出された.また,高菜漬け中の高菜は,加工により水分が減少している.その割合を加工係数として,日本食品成分表から算出した.分析により得られた高菜漬け中の高菜のパクロブトラゾール濃度から,加工係数を考慮して,加工前の高菜に含まれていた濃度を推定した.
著者
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北川 陽子
大阪府立公衆衛生研究所
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起橋 雅浩
大阪府立公衆衛生研究所
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高取 聡
大阪府立公衆衛生研究所
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福井 直樹
大阪府立公衆衛生研究所
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尾花 裕孝
大阪府立公衆衛生研究所
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梶村 計志
大阪府立公衆衛生研究所
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