P4-04 GITR遺伝子の多型がGITRの発現および自己免疫性甲状腺疾患の予後に及ぼす影響
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概要
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【背景】自己免疫性甲状腺疾患であるバセドウ病の難治性や橋本病の重症度には患者による個体差が大きい.GITRはT細胞上に発現している免疫制御因子であるが,その遺伝子上の一塩基多型(SNP)と,GITR分子の発現や特定の疾患の病態との関連はほとんど報告されていない. 【対象と方法】本研究では,GITR遺伝子のプロモータ領域,エクソン領域,3'-UTRに存在するSNPのうち,日本人のマイナーアリル頻度が10%以上であったrs3753348,rs2298213の2多型を,バセドウ病難治群(5年以上の抗甲状腺剤治療によってTSHレセプター抗体が陰性化しない患者)41例,バセドウ病寛解群(抗甲状腺剤により5年以内に寛解し,2年以上無投薬で「甲状腺機能が正常な患者」39例,橋本病重症群(50歳以下で甲状腺機能低下症を発症した患者)58例,橋本病軽症群(50歳を超えても甲状腺機能が正常な患者)49例,健常人42例においてタイピングした.また,末梢血の制御性T細胞およびエフェクターT細胞におけるGITRの発現をフローサイトメトリーで解析した. 【結果】rs3753348多型がCCの個体,あるいはrs2298213多型がAAの個体が橋本病重症群で軽症群よりも有意に減少しており,rs3753348多型がCCの個体では制御性T細胞やエフェクターT細胞におけるGITR発現が有意に増強していた. 【結論】rs3753348多型は橋本病の重症度とGITRの発現量に影響し,GITRは自己免疫反応を抑制する効果を有していることが示唆された.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
-
早川 和生
大阪大学大学院医学系保健学専攻
-
日高 洋
大阪大学大学院医学系研究科
-
渡邉 幹夫
大阪大学大学院医学研究科
-
岩谷 良則
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻生体情報学講座
-
日高 洋
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生体情報科学講座
-
富澤 理恵
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生体情報科学講座
-
井上 直哉
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生体情報科学講座
-
武村 和哉
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生体情報科学講座
-
渡邉 幹夫
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 生体情報科学講座
-
早川 和生
大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 総合ヘルスプロモーション科学講座
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