長野県内における木製治山堰堤の腐朽の進行過程と経年変化
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概要
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長野県内における木製治山堰堤 (以下, 木堰堤) の腐朽の進行過程と経年変化を解明するため, 平成19年までの調査結果をバックデータとし, ピロディンを用いて施工後5年および6年経過した木堰堤の継続調査を実施した。その結果, 施工後6年経過した木堰堤のピロディン貫入量の相対度数は対数正規分布を示し, 分布曲線は4年経過以上に正方向へと傾倒していた。次に, 施工直後の正規分布から貫入量26 mmを超過する割合を腐朽比率とし, 腐朽進行を袖部・本体の部位別に比較すると, 腐朽しやすい箇所は6年経過しても, 腐朽が進行しやすい部位のままであった。腐朽の経年変化では, ピロディン貫入量の平均値および標準偏差と経過年数, また腐朽比率と経過年数は相関関係にあり, それぞれ年数を経過するほど測定値の増加が認められ, 腐朽が進行する様子を確認できた。また, 貫入量増加速度は, 流水の無い木堰堤で袖部3.0∼4.9 mm/year, 本体3.9∼4.8 mm/yearと同程度であるが, 流水のある木堰堤では袖部・本体の腐朽速度が軽減され, 本体では2.7 mm/year程度まで減少すると考えられた。
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