風化花崗岩地帯における崩壊地の表面侵食とUSLEによるその解析
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概要
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風化花崗岩地帯における崩壊地から発生する表面侵食の実態を把握するため,長野県飯田松川流域の表層崩壊地に土砂受け箱を設け,2年間にわたり侵食土砂量を測定した。その結果,崩壊地からの侵食土砂量は両年で大きな差はなく1,200ton/ha/yrであった。この値は,これまで知られていた値よりやや大きい。侵食土砂量を支配する要因は降雨と凍上融解で,前者による侵食土砂量は6割を占めた。凍上融解による侵食土砂量は,年により大きく変動した。降雨による侵食土砂量について,USLEの降雨係数を従来知られている降雨指標と比較検討したところ,いくつかの降雨指標と同等の比較的高い信頼性が得られた。また,この崩壊地についてUSLEの土壌係数を算出した結果,未熟土の半分程度の値を示した。この土壌係数を用いれば,崩壊地からの降雨による侵食土砂量の推定にUSLEは有効であると判断された。
- 日本森林学会の論文
- 2004-11-16
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