森林土壌における団粒の発達が土壌物理性に及ぼす影響
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概要
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団粒の発達が孔隙組成や透水性などの土壌物理性にどのように影響しているのか検討する目的で, ヒノキ林とヒノキ林伐採後の林地から土壌試料を採取し, 団粒分析試験ならびに土壌物理性測定を行った。団粒分析試験の結果は団粒指数によって定量的に表した。団粒指数と土壌構造との関連について検討したところ, 団粒状構造・粒状構造では団粒指数が高く, 塊状構造・単粒状構造や, 特に構造が発達していない場合には団粒指数が低いことが明らかになった。また, 団粒指数と粗大な孔隙(≧-6.2 kPa)の量, 粗大な孔隙の量と飽和透水係数との間にそれぞれ正の相関関係が認められ, 団粒の発達によって粗大な孔隙の量が増え, 透水性も高まることを定量的に示すことができた。このように団粒の発達程度を団粒指数として単一の物理量で示したことにより, 団粒発達と土壌物理性との定量的関係をかなり明瞭に示すことができ, 今後, 団粒発達の状態と他の物理量との関係を定式化する可能性が開かれたと考えられる。
- 2001-05-16
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