沖縄本島南部に分布する琉球層群の層序
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概要
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沖縄本島南部には,主に第四紀更新世のサンゴ礁複合体堆積物からなる琉球層群が広く分布する.本地域の琉球層群は,糸満層,那覇層,港川層よりなる.糸満層は本地域内に散点的に分布し,主に溶解・侵食を受け赤色化した現地性の皮殻状無節サンゴモに富む石灰岩からなり,層厚は2 mを超える.那覇層は糸満層と不整合ないし同時異相の関係にあり,その分布高度は約170 m,層厚は50 mに達する.本層は4つのユニットの累重体であり,ユニット1~3は浅海相であるサンゴ石灰岩から沖合相である石灰藻球・Cycloclypeus-Operculina・砕屑性石灰岩へと上方深海化する整合一連のシーケンスよりなり,ユニット4は沖合相のみから構成される.石灰質ナンノ化石生層序は,那覇層の堆積は1.392~1.706 Maに始まり,0.853 Ma以降まで継続したことを示す.港川層は港川と喜屋武岬西方に分布し,層厚は約20 mに及ぶが,分布標高は50mを超えない.本層の地質年代は不明である.
著者
-
佐藤 時幸
秋田大学工学資源学部
-
井龍 康文
名古屋大学大学院
-
千代延 俊
東北大学大学院理
-
小田原 啓
神奈川県温泉地学研究所
-
高柳 栄子
名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻
-
樺元 淳一
沖縄総合事務局
-
寒河江 健一
JX日鉱日石開発株式会社
-
ハンブレ マーク
東京大学大気海洋研究所海洋底科学部門
-
樺元 淳一
沖縄総合事務局土地改良課
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