石灰質ナンノ化石量と窒素同位体比の相関変動 : 植物プランクトンによる硝酸消費プロセスの実証(<特集>後期新生代の環境指標としての微古生物学と古海洋学の進展)
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概要
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We investigated the relation between δ^<15>N_<org> values of organic matter and the number of nannofossil in marine sediments during a period from 300ka to 1300ka, using the core samples from ODP Hole 1006A, off Great Bahama Bank of the Caribbean Sea. The δ^<15>N_<org> values and the number of nannofossil (absolute abundance of coccoliths) fluctuate in the ranges of +0.1‰ to +5.8‰ and 1x10^8 to 30x10^8 specimens/g, respectively, with a clear positive correlation. As the number of nannofossil increases, δ^<15>N_<org> values become greater. These changes are closely linked to 100-ky and 41-ky variations in δ^<18>O_<planktonic> values of planktonic foraminifera (Globigerinoides ruber), reflecting mixing of surface water in the photic zone and bottom water brought about by the trade wind which became stronger during glacial period. δ^<15>N_<org> values (+0.1 to +5.8‰) of marine sediments from the Caribbean Sea fluctuate within a range lower than those (+4 to +10‰) from the Arabian Sea under the strong influence of upwelling during interglacial period. The difference in the fluctuation ranges of δ^<15>N_<org> values between these areas seems to reflect that in the amount of nitrate carried from bottom water to surface water under the influence of the trade wind and monsoon and its consumption rate by phytoplankton. These results corroborate the consideration that δ^<15>N_<org> values of marine sediments can be related directly to changes in productivity of phytoplankton.
- 2009-10-16
著者
-
佐藤 時幸
秋田大学工学資源学部
-
小島 淳
九州大学大学院比較社会文化研究院環境変動部門地球変動講座
-
佐藤 時幸
秋田大学大学院工学資源学研究科地球資源学専攻
-
長谷川 英尚
(財)環境科学技術研究所
-
林 辰弥
九州大学大学院比較社会文化研究院環境変動部門地球変動講座
-
北 逸郎
九州大学大学院比較社会文化研究院環境変動部門地球変動講座
-
長谷川 英尚
(財)環境科学技術研究所環境動態研究部
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