フラビンに関する研究 : (第1報)動植物組織中のフラビンの分布と形態
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
動植物組織のフラビンの形態別定最を行い次の結栗を得た. (1) 動物の肝,腎,心,筋肉等代謝の盛んな組織においてはフラビン総量の多少に不拘,FADが70〜80%, FMNが15〜30%でありFRは無視し得る量である. (2) これに反し,卵,ミルク等はFRが40〜80%を占めている. (3) 魚介類は,自己消化によりフラビンの形態変化が早いように思えるから,漁獲直後のものを試料とすべきである. (4) 植物では,大根,人参等の塊根は穀類等休止状態にあるものに比べ,圧倒的にFADの比率が高く,動物の肝,腎に対する卵,ミルク等の関係と同傾向である. (5) 緑葉は代謝の盛んな組織であるにかかわらず, FRが極めて多く40〜60%を占める.然してこのFR量を控除して, FADとFMNの合量について両者の比率を計算する時は,肝,腎等と同程度の比率である.即ち動植物を通じ代謝の盛んな部位のフラビンの形態比率は同程度である. (6) 緑葉等の組織に含まれるFRは,何等かの存在意義があることを推定した. (7) 白鼠の肝及び緑葉について細胞内の分布を調べた. (8) D-アミノ酸オキシダーゼを用いてFADの定量値を検討し,螢光法とよく一致した結果を得た.
著者
関連論文
- Eremothecium ashbyiiの休止菌体のリボフラビン生産に及ぼすアデニン塩基の効果
- ラットにおけるピリドキシン-β-グルコシドの利用と腸管吸収
- 穀類・種子に含まれる結合型ビタミンB_6
- 食品氷結カプセル形成法の学理とその応用 -特殊低温保存寿司-
- フラビンにかんする研究(VI) : ビタミンB_2欠乏シロネズミの窒素排泄量
- フラビンに関する研究 : (IV)飼料の蛋白含量とシロネズミの肝フラビン酵素活度との関係
- 3.Eremothecium ashbyii黄色, 白色両菌体内ヌクレオチドプールに及ぼすプリン塩基の効果(JOURNAL OF NUTRITIONAL SCIENCE AND VITAMINOLOGY : 掲載論文要旨)
- 2. Escherichia coli 無細胞抽出液による2-Amino-4-hydroxy-6-formyl-7,8-dihydropteridineより2-Amino-4-hydroxy-6-hydroxymethyl-7,8-dihydropteridineへの酵素的転換(英文誌抄録 掲載論文要旨)
- 1. Escherichia coli の生育に対する2-Amino-4-hydroxy-6-carboxy-7,8-dihydropteridineと2-Amino-4-hydroxy-6-formyl-7,8-dihydropteridineの効果(英文誌抄録 掲載論文要旨)
- Eremothecium ashbyiiのリボフラビン生産に対するプリン塩基の効果
- Eremothecium ashbyiiのリボフラビン生産に対する非イオン性界面活性剤の効果
- 14 緑葉におけるビタミンB_2の生合成機構
- 水稲の生育におよぼすビタミンB_1の効果
- イオン交換カラムクロマトグラフ法によるビタミンB_63型(PAL, PIN, PAM)の自動分析 : (I)5-Chloroaniline 2,4-disulfonyl chlorideのジアゾニウム塩の発色試薬としての諸性質について
- 脱分化した植物細胞のThiamine要求性 : (I)Tobacco callusの成長に対するThiamineおよびThiazoleの効果
- 緑葉におけるin vivoでのビタミンB_1の生合成
- Eremothecium ashbyiiのリボフラビン生産に及ぼすメチルキサンチン類(テオブロミン, テオフィリン, カフェイン)の効果
- カフェイン添加時のEremothecium ashbyii菌体内蓄積物質の検討
- 栄養学に於ける最近の二, 三の問題(昭和35年度夏季公開講座要旨)
- 緑葉におけるリボフラビン生合成にかんする研究 : (IV)リボフラビン合成酵素の活性化と安定化
- フラビンに関する研究 : (III)小麦幼芽のフラビン化合物および他の螢光物質の確認
- 緑葉におけるビタミンB_1の酵素的生成
- 発芽ダイズにおけるin vivoでのビタミンB_1の生合成
- 緑葉におけるビタミンB_1生合成へのピリミジン体の利用
- 各種製茶のビタミンB_1,B_2およびC含量とその利用率
- ビタミンB_2の生合成機構に関する研究
- 緑葉におけるFlavin mononucleotideの酵素的水解
- シイタケ搾汁中に含まれる耐熱性抗チアミン因子の成因
- インドフェノール・ブタノール溶液を用いるビタミンCの微量比色定量法
- 鶏胚のリン蛋白質ホスファターゼに関する研究(第3報) : Phosvitinを基質にした場合の酵素の性質
- 卵黄蛋白質に関する研究(第1報) : 卵黄リポ蛋白質の超遠心分析
- フラビンに関する研究 : (V)ビタミンB_1欠乏シロネズミのエネルギー代謝
- フラビンに関する研究 : (第1報)動植物組織中のフラビンの分布と形態
- Desglutamyl-lentinic acidとピリドキサ-ルリン酸との間に形成させた複合体の微生物および動物におけるビタミンB6効力
- レンチニン酸よりグルタミン酸残基を除去した新含硫アミノ酸(desglutamyl-lentinic acid)のピリドキサ-ルリン酸との複合体形成能
- フラビンに関する研究-2-