アルカリ水溶液中におけるAflatoxin B1の紫外部吸収スペクトルと螢光の変化

概要

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腸内細菌によるAFB1の分解機構を明らかにするための基礎的実験として, AFB1におよぼす水素イオン濃度の影響について紫外部吸収スペクトルと螢光について検討した. Sample I, II, IIIについては前報(1)を参照されたい. UV測定はSample I, II, IIIについて行い,螢光測定はSample IとIIIについて行った. (1) AFB1と酸性条件(pH 3.0とpH 5.0)との接触におけるUV測定で, Sample IおよびSample IIのスペクトルになんらの変化も認められなかった. Sample IIIではスペクトルは観察されなかった.螢光測定で, Sample IとSample IIIともに相対螢光強度に著しい経時的増加を認めた. (2) AFB1と中性条件(pH 7.0)との接触では, UVスペクトルおよび螢光強度に経時的変化は観察されなかった. (3) AFB1とアルカリ性条件(pH 9.0とpH 11.0)との接触で, pH 9.0, 24時間後のSample I, II, IIIと, pH 11.0, 0時間のSample I, II, IIIのUVスペクトルに変化が認められた.螢光強度はpH 9.0の24時間後とpH 11.0の0時間で,著しい低下および螢光の消失を観察した. (4) AFB1とpH 9.0およびpH 11.0との接触で, pH 9.0では24時間後, pH 11.0では0時間で,クロロホルム処理残液のUV測定においておのおの342nmと357nmに最大吸収を有するスペクトルを観察した.
社団法人日本農芸化学会の論文