授乳中の母ラットにおける糞便細菌叢の変動 特にEscherichia coliの菌数増加について
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概要
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妊娠ラットの分娩前から分娩・離乳後に至るまで, その糞便細菌叢を毎週1度検査し, また2度目の分娩においては哺乳ラットの大腸細菌叢も検査した. 授乳期間中において全母ラットの糞便のEscherichia coliおよびEnterococcusの菌数増加が認められ, とくに前者において顕著な増加が認められた. また数例においてはProteus mirabilisの増加も見られた. E. coliおよびEnterococcusは2度目の分娩直前において1度目の分娩前および離乳直後よりも大きい菌数を示した. 哺乳ラットの腸内菌叢の検査成績から, 授乳中の母ラットの糞便E. coliの菌数増加は母ラットによる哺乳ラットの排泄物の摂食に基づくことが示唆された. 嫌気性細菌のうち嫌気性グラム陽性球菌, Fusiform, Catenabacterium (Eubacteriumおよび嫌気性Lactobacillus), Clostridiumおよびcurved rodは分娩後授乳期2週目および離乳後において, それ以前よりも菌数あるいは検出率が大であった. 一方Bifidobacteriumは分娩後その菌数の減少を示した. Staphylococcus, Lactobacillus, total Streptococcus, BacteroidaceaeおよびVeillonellaは授乳期間中に著変を示さなかった. 授乳中の母ラットの糞便細菌叢の変化に関与する要因およびその変化の意義について考察した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1980-10-25
著者
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