皮Collagenと酸・アルカリとの反応について : 動物皮の鞣性に関する化学的研究
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概要
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家兎の皮及び骨からcollagenを分離し, collagenによるHC1又はNaOH溶液のpH変化及び結合量変化を測定した. いずれのcollagenも溶液のpH 4〜10の間では, pH 5.2〜5.8となり,皮collagenではfinal pH 2.05で0.73mg mol.の酸と,骨collagenではfinal pH 2.39で0.6mg mol.と結合する. 従つて皮collagenも骨collagenも実験誤差の範囲を考慮に入れて一応同種のものと考えられ,また文献による牛皮collagenもこれらの性質に関する限り大体同じであると考えられる. V. T. Collagenとcollagenにつきこれらの性質に関する比較をしたところ, V. T. Collagenではfinal pH 3〜4で酸の結合力が減じfinal pH 7〜10におけるアルカリ結合量が著しく増加することを認めた. 以上の性質は皮の渋吸着量がpH 4以下に於て増加するという事実と対照すれば皮の鞣性に関する重要な性質である. 本研究は文部省科学研究費により行い.この報告の一部は日本農芸化学会東京支部講演会(昭和18年2月13日)に於て講演した.
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