動物皮の鞣性に関する化学的研究 : (第4報)皮コラーゲンとポリフェノール類との反応について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
(1) 皮コラーゲンとガロタンニンとの反応を明かにするために,タンニンの基本的反応基であるOHを2以上もつ化合物としてPg, Rs, Ct, Hqなどを用い,これらの化合物と皮コラーゲンとの及応について実験した. (2) これらのポリフェノールと皮コラーゲンとの反応には必ず水の存在を必要とし,水溶液中においてはHClの如き強電解性酸によって幾分吸着を妨げられるし,稀薄溶液における吸着平衡濃度と吸着量との関係は安息香酸やサリチル酸の場合に類似している点もある.従ってこの吸着反応にはポリフェノール類の2以上のOHから生ずるH+とコラーゲンの解離基との反応が一部関与しているものと考えられる. (3) 吸着されたポリフェノールの脱着は容易であり,飽和吸着量は各ポリフェノールのもつOH基の数と皮コラーゲンのペプチド結合の数に密接な関係を有すると考えられるから,この吸着反応は主としてOH基とペプチド-CO-NH-或いは-CO-N=との反応であると考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 動物皮の鞣性に関する化学的研究 : (第4報)皮コラーゲンとポリフェノール類との反応について
- 動物皮の鞣性に関する化学的研究 : (第6報)皮コラーゲンに対するタンニン酸の吸着性について
- 皮Collagenと酸・アルカリとの反応について : 動物皮の鞣性に関する化学的研究
- 皮組織の成分及び鞣性の変化に関する研究 : IX 皮のタンニン酸吸着量に及ぼす濃酸〓 および濃アルカリ〓 処理ならびに腐敗の影響
- 皮組織の成分および鞣性の変化に関する研究 : VIII. アルカリによる前処理の影響
- 哺乳動物原皮の化学的組成に関する研究 : III 各種原皮の一般組成及び蛋白質組成について
- 皮組織の成分及び鞣性の変化に関する研究-11-