前インターフェロン非治癒の1b高ウイルス量C型慢性肝炎に対する二重濾過血漿交換併用ペグインターフェロン・リバビリン療法(第2報)
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概要
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以前インターフェロン治療(IFN)を行ったがSustained viral response(SVR)が得られなかったGenotype 1b・高ウイルス量のC型慢性肝炎12例(男性6例,女性6例,平均年齢60.3才)に対しDouble Filtration Plasmapheresis(DFPP)とペグインターフェロン・リバビリン(PEG IFN・Rib)療法を併用して治療を行った.前治療はIFN単独治療無効(Non responder;NR)3例,IFNα2b・Rib併用療法NR 2例,PEG IFNα2b・Rib併用療法再燃(Relapse;Rel)2例とNR 5例である.DFPPによるHCV RNAの減量は平均1.8(0.1-4.8)Log IU/ml であった.interferon sensitivity determing region(ISDR)とHCV coreアミノ酸(amino acid;aa)の変異はDFPP効果に影響を与えなかった.前治療IFN単独例が前治療Rib併用例よりもDFPPの効果が有意に高かった(p<0.05).前治療IFN単独3例は全例(100%)SVRを獲得した.前治療IFNα2b・Rib併用2例はHCV RNAの陰性化は得られなかった.前治療PEG IFNα2b・Rib併用でRel 2例はSVRを獲得したが,NR 5例はSVRになった例は認められなかった.前治療PEG IFNα2b・Rib-Rel 2例はPEG IFNα2b・Rib投与期間およびAdherenceが前回と同等だったにも関わらずHCV RNA陰性化時期が早まり,DFPPを併用した効果と考えられた.最終的にSVRを獲得したのは12例中5例(41.7%),前治療Rib併用9例中2例(22.2%)であった.SVR率はISDR変異≥2個以上例で2/2(100%),ISDR変異0または1かつcore aa70か91一方が変異例で2/6(33.3%),ISDR0または1かつcore aa2個とも変異例で1/4(25.0%)の順に低下した.以前IFNを行ったがSVRが得られなかったGenotype 1b・高ウイルス量の難治性C型慢性肝炎に対し,DFPP併用PEG IFN・Rib療法を再治療として行う場合は前治療IFN単独NR症例やPEG IFN・Rib併用Rel症例に於いてはSVRが期待できると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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平嶋 昇
名古屋医療センター消化器科
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岩瀬 弘明
国立名古屋病院消化器科
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岩瀬 弘明
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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後藤 秀実
名古屋大学 大学院 病態内科学 講座 病態修復内科
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平嶋 昇
独立行政法人国立病院機構東名古屋病院消化器科
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都築 智之
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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神谷 麻子
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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横井 美咲
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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斎藤 雅之
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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玉置 大
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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龍華 庸光
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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日比野 佑介
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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島田 昌明
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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