フィアンセから感染したと推測されペグインターフェロンα2aで軽快したC型急性肝炎の女性症例
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概要
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症例は26才女性.2007年11月21日,AST235 U/L,ALT636 U/L,T-Bil.3.5 mg/dlで紹介を受けた.HBs抗原・IgM-HA抗体・HCV抗体陰性であったがHCV RNA定性(アンプリコア法)は陽性であった.ALTは正常化せず,08年2月8日HCVグループ2,RNA定量3.0 Log IU/ml(リアルタイム法),3月21日肝生検F1A1であったため,3月25日からペグインターフェロンα2aを12週投与してHCV RNAは陰性化した.尚,07年8月頃から付き合い始めたフィアンセは刺青を有し07年11月C型急性肝炎を発生,11月28日HCVグループ2,RNA定量430 KIU/ml(ハイレンジ法)であった.保存血清を用いて分子系統樹解析を名古屋市立大学臨床分子情報医学教室において行ったところ患者とフィアンセはおなじ感染ルートであることが推測された.日本のC型慢性肝炎は高齢化し治療に難渋しているが,若い世代を中心に麻薬や刺青によるC型肝炎感染が散見され性交渉によってさらに拡大しているとも言われている.C型肝炎は感染早期にインターフェロンを投与した方が治療効果は高く早期治療が望ましい.若い世代に対する積極的HCV対策も今後は必要である.
- 2009-11-25
著者
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田中 靖人
名古屋市立大学大学院医学研究科病態医科学
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平嶋 昇
名古屋医療センター消化器科
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小林 慶子
名古屋医療センター消化器科
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島田 昌明
名古屋医療センター消化器科
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岩瀬 弘明
名古屋医療センター消化器科
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後藤 秀実
名古屋大学消化器内科
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岩瀬 弘明
国立名古屋病院消化器科
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後藤 秀実
名古屋大学医学部付属病院 消化器内科
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島田 昌明
名古屋大学 第1内科
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田中 靖人
国立国際医療研究センター国府台病院
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田中 靖人
名古屋市立大学臨床分子情報医学
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島田 昌明
名古屋大学 医学部 第1内科
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岩瀬 弘明
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター消化器科
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後藤 秀実
名古屋大学 大学院 病態内科学 講座 病態修復内科
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島田 昌明
国立病院機構名古屋医療センター消化器内科
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田中 靖人
名古屋市立大学大学院医学研究科 病態医科学講座ウイルス学分野名古屋市立大学病院 肝疾患センター 中央臨床検査部
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平嶋 昇
国立病院機構東名古屋病院消化器科
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田中 靖人
名古屋市立大学
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後藤 秀実
名古屋大学 医学部
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