ナツミカンの凍害果実中のナリンジン含量の経時変化について
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概要
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1. 高速液体クロマトグラフィー (HPLC法) による‘川野ナツダイダイ’果汁のフラバノン•グリコシドの分析法を検討するとともに, 樹上凍害果と貯蔵中凍害果における凍害果のナリンジン含量の違いを経時的に調査した.2. HPLC法とデービス法によるナリンジンの分析値の間には有意な相関があり, y=-2.502+0.647x〔y=HPLC法(mg%), x=デービス法(mg%)〕の直線回帰式が得られた.3. ‘川野ナツダイダイ’果汁中には, ナリルチン, ナリンジン, ネオヘスペリジンが検出され, ‘ナリンジナーゼ’による分解生成物であるプルニン及びナリンゲニンは検出されなかった.4. 苦味の官能評価によく一致するとされている圧搾法で得られた果汁中のナリンジン濃度 (mg%) は, 貯蔵中凍害果では増加の後, 高濃度で一定に推移した. 一方, 樹上凍害果では当初, 貯蔵中凍害果の場合と同様に増加したが, 後に減少した. ブレンダーによリ完全に磨砕して得られた果汁中のナリンジン濃度は, 両者とも圧搾法より高い水準にあり, 貯蔵中凍害果では最後まで微増し, 樹上凍害果では微増の後, 減少した.5. 1果当たりのナリンジン総量 (mg) は, 貯蔵中凍害果では多少の変動はあったが, ほぼ一定していた. 一方, 樹上果では凍結後, 常時, 減少し, その減少はす上りの進行と並行した.
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