カキ幼果のエチレン発生量と果実内エチレン濃度との関係
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概要
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カキ果実の生理落果とエチレンとの因果関係を明らかにするため, エチレンの測定方法について検討した. 本実験で行ったエチレン測定法は, 樹上の果実にエチレン捕集用の容器を取り付け, 果実を切り取らずにエチレンを測定する方法 (樹上法) である.1. 果実を枝から切り取った後, 約2時間までは傷害エチレンの発生はほとんどみられなかった.2. 種々な濃度のACC液を散布した果実を供試し, 樹上法によるエチレン発生量と減圧抽出法による果実内エチレン濃度との関係を調べたところ, 両エチレンの間には極めて高い相関関係が認められた. また, 気象要因の変化に対しても, 両エチレンとの関係は余り変らなかった.3. 無処理果(ACC液を散布しない健全果)を用い, エチレン発生量と果実内エチレン濃度の日変化を検討したところ, 両エチレンの値は日中に高く, 夜間に低かった. 日中のエチレン発生量は, 日射量及びヘタの水蒸気拡散抵抗の変化と対応しており, また果実内エチレン濃度はエチレン発生量の増減と関係がみられた.4. 無処理果において, 果肉のACCは日中にのみごくわずか検出されたが, ヘタでは日中, 夜間とも検出されなかった.
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