′CH-19甘′を片親としたトウガラシ (Capsicum annuum L.) の雑種におけるカプサイシノイドならびにカプサイシノイド様物質の含量
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概要
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トウガラシCapsicum annuum L. の果実の抽出物から薄層クロマトグラフィーにより, カプサイシノイドとは Rf 値の異なる, 2種のカプサイシノイド様物質(CLS-A及びCLS-B と仮称) を得た.辛味品種から選抜固定した甘味品種′CH-19甘′を片親とした品種間交雑を行い, カプサイシノイド及びCLS-A, B の生成について検討した.′カリフォルニア•ワンダー′や′紫′などの甘味品種には, CLS-A,Bは含まれていなかった. これらの甘味品種と′CH-19甘′とのF1では, カプサイシノイド含量は著しく高く, CLS-A, B含量は低かった.辛味品種と′CH-19甘′とのF1では, カプサイシノイド含量は, 親辛味品種と同程度か, それよりも低い場合があった. CLS-A, B含量は, 親辛味品種よりも高かった.CLS-Aは開花20日目以後の果実に, CLS-Bは開花10日目以後, すなわちカプサイシノイドが生成する以前の若い果実に認められた.CLS-A, Bの含量には, 品種間差異が認められた. 含量の最も高い品種は′CH-19甘′であり, 数種の辛味品種でも含量が高かった.以上の結果から, CLS-A, Bはカプサイシノイドの生合成にかかわる物質である可能性が示唆された. ′CH-19甘′と交雑し, F1におけるカプサイシノイド及びカプサイシノイド様物質の含量を調べることによって, 交雑した品種のカプサイシノイド合成経路の遺伝的な側面を明らかにすることができると思われる.
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