ニンニク, ネギ, アサツキの花序の分化発達過程と花序型
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概要
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走査型電子顕微鏡観察による, ニンニク, ネギ, アサツキの花序の分化発達過程の形態的解明と花序型の検討を行なった.<BR>1.総包原基は茎頂を1周する1個の環状隆起として形成されたが, 葉の発生する側 (相対する両側) で隆起成長が著しかった.<BR>2.稔性および不稔性の完全抽苔型ニンニクの生殖期茎頂は最初ほぼ等しい2つの隆起に分れ, それぞれに二出集散花序で花が形成され, ニンニクの花序は花の形成過程からみると2つの二出集散花序の集合した複花序とみなされたが, 完成した花序は単一花序の有限散形花序の形態を示した.<BR>3.稔性ニンニクの一部の系統, 不稔性完全抽苔型ニンニクの供試したほとんどの品種では一部の花が発達せず退化し, その結果, その花に続いて形成される予定の花が形成されず, その附近では二出集散花序の形が崩れた.<BR>4.ネギとアサツキの花の形成は生殖期茎頂の中心から周辺部に向かって進む傾向が認められたが, 花の形成順序, 配置などに特に規則性は認められなかった.完成した花序の形態は両者とも有限散形花序であった.<BR>5.ニンニクの花序内に花と共に形成される珠芽は分化時期, 形成部位, 伴って形成される小包葉の数•形成部位などの点で, 花との関連はみられず, 最初から栄養芽として花とは別に形成されるものと考えられた.
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