ニンニクの春植栽培に関する研究
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概要
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ニンニクの未開発の作型である春植栽培の寒地での成立可能性について検討した.1. 暖地の早出し栽培の当年の春どり球を種球とする春植栽培では, 収穫球が極めて小さく, 非実用的と思われた. これに対して, 寒地の普通栽培の夏どり球を翌春まで貯蔵したものを種球とし, 以下に記した点を考慮して栽培すれば, 収穫球重は前述の栽培に比べて著しく大きくなり, 実用的にも成立する可能性が示唆された.2. 夏どり球の翌春までの貯蔵温度は-2°Cが最適であった.3. -2°C貯蔵開始時に種球が休眠状態にあると, 休眠覚せい状態にある場合に比べて, 植え付け後の発芽が遅く, 正常型球形成率と球重の劣る傾向があった. 特に, 植え付け時期の遅い場合には著しく劣った.4. 根雪の融雪後, 早い時期に植え付けるほど正常型球形成率と球重が大きくなった.5. 一般に寒地系品種は暖地系品種より正常型球形成率と球重の双方で優れていた. 寒地系品種の間では, 晩生で完全抽だい性の品種が中生ないしやや晩生で不完全抽だい性の品種より正常型球形成率が高くなり, 他の条件が適当な場合には100%になった.6. 種球が大きくなると正常型球形成率と球重が増大した.7. 以上の項目1〜6の条件を最良にした春植栽培では, 正常型球形成率は100%になり, 球重も秋植栽培の8割近くに達した. また, 収穫時期は秋植栽培より数日遅れただけで, 生育期間が4か月間に短縮された.
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